診療科目のご案内

糖尿病内科

糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群と定義されます。とても難しい表現です。そこで一つずつ言葉の解釈を説明します。
○インスリン作用とは?
インスリン(膵臓のランゲルハンス島のβ細胞で生成・分泌され血糖値を下げる唯一のホルモン)が適切に供給され組織のインスリン必要度のバランスがとれ血糖を含む代謝が正常に保たれることです。
○インスリンの作用不足とは?
インスリンの分泌不足、またはインスリン抵抗性(インスリンの効きにくさ)の増大のことです。このような状態があると血糖値は増大します。
○高血糖状態の持続とは?
裏返せばインスリン作用不足があることで持続する高血糖により、時には特徴的な症状(口渇・多飲・多尿・体重減少・易疲労感)を自覚する方もおりますが、それ以外の自覚症状がでにくい状態です。

つまり高血糖が持続している病態が糖尿病(尿にも等がでている状態)です。高血糖状態が持続すると
糖尿病の合併症を生じます。糖尿病の治療はこの合併症を防ぐことが治療の目標です。


また、高血糖が急激に悪化することによる急性の合併症にも注意が必要です。
○急激で高度のインスリン作用不足(急性の代謝失調を起こす病態)
1型糖尿病の急性発症
2型糖尿病の高齢者の感染症や脱水状態
糖尿病療養中の病気の日(感冒、インフルエンザ、尿路感染症、下痢や嘔吐)
この状態はストレス下でのインスリン拮抗ホルモンの上昇によるアンバランスもありますが絶対的、相対的なインスリン作用不足によります。
○慢性に続く高血糖や代謝異常とは?
これがいわゆる糖尿病3大合併症といわれる神経障害、網膜症、腎症などの病態。
また大血管症といわれる動脈硬化性疾患(脳梗塞などを始めとする脳血管疾患、心筋梗塞を代表とする虚血性心疾患、足の壊疽も起こしうる閉塞性動脈硬化症)を併発してくる状態です。
○その他の糖尿病起こす原因に
膵臓疾患
(膵臓癌などは糖尿病をお持ちのかたは発症率が高く、また逆に膵臓癌でインスリンを出す細胞が減り糖尿病を発症増悪することがあります)よって年に一回は腹部超音波検査にて膵臓の確認を行って行きます。
内分泌疾患
(末端肥大症、クッシング症候群やクッシング病、ほか副腎疾患、甲状腺機能亢進状態等他に色々あります)
肝疾患
(肝硬変などインスリンの抵抗性が増しますので糖尿病を発症することがあります)
薬剤や化学物質
(特にステロイド治療薬を使用する疾患ではステロイド糖尿病という病態が起こりえます、また最近の精神科疾患の領域の内服薬は副作用に高血糖となる薬がありますので内服薬と副作用をよく確認し定期的な血糖の確認をおすすめします)
感染症
(重篤な感染所の場合ストレスホルモンが増加するため高血糖状態となることがあります)
免疫機序による希な病態、その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことが多いもの(ターナー症
候群など)
妊娠中の糖代謝異常
糖尿病が妊娠前から存在している糖尿病合併妊娠
妊娠中に発見される糖代謝異常(妊娠糖尿病、妊娠時に診断された明らかな糖尿病)の病態があります。妊娠糖尿病の診断基準も厳しくなり以下のようです。
その目的は児の過剰発育、周産期異常を減らし安全な妊娠の継続、安全な分娩を行うことにあります。また妊娠糖尿病と診断されたかたは今後糖尿病を発症するリスクが高まりますので糖尿病発症予防をかねて定期的な経過観察が大切です。(現に出産後1型糖尿病の診断に至った方、産後に境界型糖尿病の診断をされた方、出産後の耐糖能は全く正常で経過観察中の方などを拝見しております)やはり子育て中で忙しい時期は検診を受ける機会をのがしやすく中高年で糖尿病を悪化させてからの加療になる方が以前は沢山見受けられましたが、最近は産婦人科の先生の協力や、患者さん自身の前向きな気持ちにて定期的な経過観察ができるようになってきております。

当クリニックではいずれの病態の糖尿病でも拝見させて頂きます。
検診で糖尿病の疑いを指摘された、糖尿病の症状かもしれないが血糖ははかったことが なく心配である方、等を含めまずは現在の状況の確認(問診、採血、採尿、合併症検査) を行い、糖尿病の有無、糖尿病と診断されれば現在のご自身の於かれている糖尿病の自然 歴での位置の確認。また検査の結果今後の治療と経過についてお話させて頂きます。

問診 糖尿病は問診がとても大切といわれます。症状(口渇・多飲・多尿・体重減少)やいつから指摘されているか、合併症の有無。実は目が見えにくくなり眼科を受診して網膜症を指摘されて受診。このような場合は罹病期間としても5-10年以上と予測できます。また治療は特にされておらず自覚症状も特に無かったということであれば2型糖尿病で遺伝的な素因を持った、肥満・過食・運動不足が誘因になって発症する糖尿病でインスリン分泌は比較的保たれている糖尿病が予測されます。またインスリン分泌がたもたれていない糖尿病の方は急激な高血糖の症状が出現します。また2型糖尿病として経過観察されており急激なコントロール悪化となった場合は、1型糖尿病の発症や悪性疾患の併発、ほかに食生活の悪化特にペットボトル症候群の状態となり増悪に至る例があります。いずれにしても問診はとても大切です。初診の患者様には十分な問診をさせていただくため、できればご予約の上ご来院いただけると待ち時間が少なくすむと思います。

検査  採血 採尿
合併症精査神経障害の有無をみるアキレス腱反射や振動覚検査 しびれ等の自覚症状も参考になります。必要時は神経伝導速度の検査も依頼します。
網膜症の有無の確認のため眼科を受診して頂きます。(糖尿病眼手帳をお渡しします。これは日本糖尿病眼学会が発行している手帳です。糖尿病かかりつけ医と眼科医が手帳を通して患者様の病態、治療、今後の方針等を把握できる手帳で、糖尿病専門医にとっても治療方針の大切な指標が書いてあります) 手帳は受診時持参して頂けると大変助かります。
腎症は受診時に尿検査を行い尿蛋白がでているかどうか、でていなければもっと細かい蛋白質であるアルブミンは尿にでているかを検査します。腎臓はものを言わない臓器といわれ尿蛋白は検査をしないとわからず、微量なうちは自覚症状無く経過するため、症状が出たときはかなり腎症が進行している状態です。
但し腎症は食事療法、血糖コントロールそして薬物療法でかなり腎症病病期分類2期-3A期であれば改善するとも言われており、現に以前は尿蛋白が2-3+出ていた方が血糖コントロール血圧コントロールにて尿蛋白が±まで改善したり尿蛋白陰性で経過しております。
診断   診断基準は以下のようです。必要時は糖負荷検査を行い診断します。
治療
糖尿病の基本は食事療法です。そして運動療法、薬物療法となります。
   食事療法;とても難しいとみなさん思いますが当院では簡単にどなたでもできる食事療法をご提案します。生活スタイルに合わせてできる範囲で開始します。病態により食事療法も変わってきます。2型糖尿病で肥満や過食、運動不足にて糖尿病を発症した方や糖尿病が増悪した方はその誘因を取り除くことが治療となります。 適正なエネルギー摂取量を決めます。以下のようになります。 次にバランスのとれた食事の指示となります。
 ご飯(主食)の量;これははかりで量り確認してみることをおすすめします。
 次におかずの量(肉、魚、卵、豆腐など)指示カロリーにより摂取量が異なりますが大体の目安を握り拳で何個分かお伝えします。
 最後に野菜です。野菜は1日300g以上の摂取が推奨されています。具体的な野菜の摂取量をみて頂きおかずの約2-3倍の量を摂って頂くようにおすすめしております。
これで主食 おかず 野菜の3つのバランスのご呈示ができました。この指導で食事療法を難しく思われる方は少なく、実は糖尿病でも何をたべても良いことに気づかれる方が多いです。次回の再診まで食事療法に取り組みます。また仕事や独身でコンビニを利用する機会が多い方もこの食事療法を取り入れることは実は簡単で活用しやすいと思います。ご飯の量も明示され、野菜も最近では大きなパックで扱いが多くなり、おかずも指示された大まかな量で選ぶことができます。コンビニを活用しての食事療法もおすすめです。当院では患者様の必要とする栄養指導(それぞれにあった指導)を糖尿病療養指導士でもある管理栄養士が丁寧に指導させて頂きます。

経過観察  糖尿病は現代の医療では一度診断がつくと治らないといわれますが、コントロールがつけば糖尿病がない方と同じよう生活ができますし、元気にお過ごし頂けます。まずは定期通院と日頃の食事や運動のちょっとした工夫をライフスタイルに合わせてご提案させて頂きます。


甲状腺疾患

甲状腺とは人間の生命時に必要なホルモンを分泌する臓器です。例えば脈拍が早くなったり、汗をかいたりするのも甲状腺ホルモンが関係しています。このホルモンの分泌が多かったり少なかったりすると、様々な症状を呈することになります。代表的な病態としては

○機能が亢進(過剰になる)病態
甲状腺機能亢進症(発汗 体重減少 下痢 発熱 動悸 手足の震え 不眠 等)を呈する病気
バセドウ病 無痛性甲状腺炎 亜急性甲状腺炎
○機能が低下する病態
甲状腺機能低下症(低体温 むくみ 徐脈 無気力 便秘 眠気)を呈する病気
橋本病 ヨードの大量摂取後

○甲状腺が腫れる、しこりができる病態
全体的に甲状腺が腫れる病気
バセドウ病 橋本病 単純性甲状腺腫
一部がはれたり痛みや発熱を伴うものに
亜急性甲状腺炎
腫瘍性甲状腺疾患
甲状腺外科の先生に診断をして頂く必要があり、適切な病院を御紹介致します

甲状腺疾患は女性に多い病気です。甲状腺自体はのど仏の下あたりにあり、正常ではふれることはありません。腫れやしこりがあるとふれることができます。症状や腫れが気になる方は御相談ください。当院では甲状腺ホルモンの検査も当日結果が出ますのでその場で結果を説明させて頂きます。甲状腺疾患は疾患自体が見逃されることも多く、病気自体が良性のことが多いため、治療による効果が非常に期待できる病態です。


栄養指導

栄養士の立場から糖尿病について治療に参加させていただきます。糖尿病において食事療法は不可欠です。運動療法とともに車の車輪に例えられたり、樹木の幹に例えられたりするなど、食事療法は糖尿病治療の根幹をなすものです。糖尿病の治療の目的は血糖値を良好な状態に維持することにより、健常の方と変わりない社会生活を営めるようにすること、糖尿病に併発する合併症の発症や進展を防止することです。そしてその手段として最も基本的で重要なのが食事療法です。
最近はテレビでもダイエットや血糖管理についての番組で取り上げられており、情報が氾濫している状態です。マスメディアからの情報は玉石混交であり、専門的な知識や経験が必要です。カーボハイドレート カウンティングなども提唱されており、患者さんそれぞれにあわせた治療方法を提供させていただきます。
快適な毎日と明るい未来のために!ぜひお気軽にご相談ください。


栄養指導 [予約制]
 
午前
9:00 ~ 12:00
× ×
午後
14:00 ~ 15:30
× ×

ご希望の方は、スタッフにお申し付けいただくか、お電話で予約受け付けます。
管理栄養士及び糖尿指導士の高橋が指導します。


  このページのTOPへ